人は誰しも「自分の問題解決の専門家」であり、そのための「リソース(資源・強み)」を持っている

心理学

こんにちは。すみれです。

今回は悩みを解決する為に、自分がすでに持っている力に目を向ける「解決志向アプローチ」についてお話します。

解決志向アプローチとは

解決志向アプローチは、ブリーフセラピーと呼ばれる心理療法の技法の1つなのですが、

人は誰しも「自分の問題解決の専門家」であり、そのための「リソース(資源・強み)」を持っている

という考え方で

問題や原因を追究するのではなく、そのリソースを使って解決像(こうなっていれば良いなというイメージ)に向かっていくアプローチです。

自分が抱えている問題は、自分が持っている力で解決できるんだぞ!ってことです。

解決志向アプローチは, 「全てのクライエントは自分たちの問題を解決するのに必要なリソースと強さを持っており, 自分たちにとって何がよいことかをよく知っており, またそれを望んでいて, 彼らなりに精一杯やっているのだという信念に基づく」 面接技法である (Berg & Miller, 1992:25).

そんな力を引き出すためのポイントは3つ

Point1 「どうなっていたい」という解決像を明確にする

解決像を具体的に考えることはとても大切です。悩みや問題を抱えていると、それに気持ちがとらわれてしまいがちですが、自分が望む未来についてイメージすることで、具体的な目標を立てやすくなります。

ミラクルクエスチョン

もし今夜、眠っている間に奇跡が起こり、あなたの問題がすべて解決したとすると、明日はどんな一日になるでしょうか。そのことをあなたはどのように気づくでしょうか。といった「もしも…」で考えるミラクルクエスチョンは、具体的な解決像を探すことに有効です。

Point2 本人のリソース(資源・強み)に注目する

人は誰しもがリソースを持っています。リソースというのは、その人の能力や興味など内的なものや、家族、友人など外的なものを指します。うまくいっている状況、助けになるモノや人などを確認し、その人のリソースを探していきます。

「例外」さがし

嫌だなあ…と思っている状況が続いていたとしても、少しでもましな状況があったり、全然うまくいかない…と思っていることでも、たまにはうまくいっている状況もあるものです。「そんな中でも上手くいったときはどんなときだろうか」「問題が起こらなかったのはどんな時だったか」など、その「例外」を探すことは、リソースを探すことに有効です。

Point3 具体的で小さな目標を立てる

解決像を明確にして、リソースを探った後は「とりあえずできること」「できそうなこと」という具体的で小さな目標を立てて実行していきます。自分が向かう先や、自分が活用できるリソースがわかっていると、目標立てもしやすいですよ。

解決志向アプローチでは、変化は絶えず生じており、必然である。小さな変化が、大きな変化につながる。という考え方も大切にしています。

必ず変わっていくと信じて、小さなことから少しずつ取り組んでいくことで、きっと解決像に近づくことが出来ます。

事例紹介

さいごに事例を紹介します。こんな流れで考えてみるといいかもしれません。

周囲にうまく溶け込めない…

→その悩みが解消されたとして、どうなったらいいか考える(解決像)

自分が安心した状態で、皆の輪の中に入れている・・・とか?

→映像が思い浮かぶくらい、さらに具体的に考える(解決像の明確化)

職場で周りのスタッフが雑談しているときに、自分も会話に入って意見を言ったり質問したりして笑っている感じかな。

→ほんの少しでも、自分がその場で安心していると感じる時はどんな時か(リソース探し)

周りが話しているときに、内容が面白くてふふっと笑ってしまったことがあって、それに気づいた人が話をふってくれて、自分も会話に入れたことがあったな。その時はほっとした。

→とりあえずできそうなことを考える(小さくて具体的な目標立て)

会話に入っていいかどうか迷っても、人の話に相づちを打ったり、笑ったりしてみる…これならとりあえずできそう。

いかがでしょうか。ちなみにこれは過去の自分の悩みから作成してみました。笑

まとめ

問題や原因にフォーカスすると「うまくいってないこと」「できていないこと」に目を向けてしまいがちですが、解決志向アプローチでは「自分が持っている活用できそうなこと」に目を向けて、前向きに考えるのが特長です。

今回は解決志向アプローチの一部をご紹介しました。技法は他にも様々です。

解決像の明確化やリソース探しなど、対話しながら取り組んでみたいという方は、お気軽にご相談くださいね。

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